低コスト、大量生産の独自技術を披露するゼタの高橋光弘代表取締役=横浜市(那須慎一撮影)【拡大】
ゼタの高橋光弘代表取締役はこの点に着目。ノズルからポリマーが噴き出す際に、「大量の風圧をかけることで、この電界干渉を抑えるだけでなく、防爆対応もできる」ことを見いだした。安全に大量生産できる技術を確立した。
また、低コストへの道筋もある。原料となるポリマーについて、ポリエチレンテレフタレート(PET)商品をリサイクルすることも可能なため、大幅に製造コストを削減できる。浸水性の高い布も、逆に撥水(はっすい)性の高い布を作ることもできる。
この技術が導入された場合、設備規模や投資金額にもよるが「(従来技術比で)生産速度で1000倍以上、生産価格で100分の1程度に抑えられる」(高橋氏)という。
中国にPM2.5マスク
新技術による商品化が近いのがPM2.5対応のマスクだ。高橋氏は「日本で製造した質の高いものを、中国に輸出する計画だ」と明かす。用途によっては「PM0.1クラスまで対応するフィルターも製造可能」という。
また、年内にもマレーシアのサバ大学内に共同研究室を設置し、船舶事故や海底油田の油漏れ事故から油を回収するための研究を始める。国内外のメーカーなどともさまざまな分野での商品化を交渉中だ。