「ナノファイバー」実用化へ前進 有機EL、高性能マスクなど応用期待 (3/3ページ)

2014.4.10 06:12

低コスト、大量生産の独自技術を披露するゼタの高橋光弘代表取締役=横浜市(那須慎一撮影)

低コスト、大量生産の独自技術を披露するゼタの高橋光弘代表取締役=横浜市(那須慎一撮影)【拡大】

 ナノファイバーを応用した商品開発では、東レが3月上旬に直径が数十~数百ナノメートル程度の繊維を複数の原料で製造する技術を開発し、耐久性の向上などにつながると発表。ほかにも、信州大などが量産化に成功したナノファイバーを使った防塵(ぼうじん)マスクが3月中旬に発売されるなど、本格普及に向けた動きが加速している。

 高橋氏は、2006年から5年計画で行われた新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の研究にパナソニックの研究員として参加。その後、独立して11年にゼタを設立した。

 ゼタでは、1時間当たり10キログラムのナノファイバーを製造できるが、高橋氏は「近い将来、年間1000万トンクラスを製造できる装置開発を進めたい」と語る。

 「大量生産技術の普及で、環境負荷低減や汚水を飲料水にできる、といったことで社会に貢献する『地球防衛軍』になりたい」。高橋氏の夢は、大きく動き出した。(那須慎一)

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