品質については「安かろう悪かろうでは駄目。品質は企業の屋台骨」(大仲取締役)と考え、国内大手メーカーで携帯電話事業の品質管理部門を率いてきた専門家4人を顧問に迎えた。顧問は製造を委託した中国・深センの工場に常駐し、品質向上に取り組んだ。
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中国入りした顧問がまず手をつけたのは、工場周りのごみ掃除だった。「こういうところからちゃんとしなければ、良い品質のものは生まれない」からだ。工場側も、世界で最も厳しいとされるジャパニーズ・クオリティーの製品が出せれば箔(はく)が付くと、顧問の注文に積極的に応えた。
工場内に設けられたフリーテルの専用ラインは、3カ月にわたって何も生み出さないラインとなった。作業プロセスを組み上げ、従業員の研修、テストを徹底するためだ。従業員は、基本のはんだ付けのやり方から教わった。満足のいく品質で安定して製造できるようにするため、発売を約1カ月遅らせた経緯もある。その結果、不良率は1%程度。顧問が一人で始めた掃除は、従業員みんなで取り組む日課になりつつあるという。
また、フリーテルにCPU(中央演算装置)を提供しているスプレッドトラムは、携帯電話用チップで中国最大手ながら日本へは初上陸。日本市場進出の足掛かりにとの積極姿勢で、フリーテル発売前から現在まで技術者をプラスワンに派遣し、通信環境の試験を繰り返している。試験結果を反映し、通信性能はどんどん向上しているという。
3つ目の「ユーザーに優しいメーカー」では、従来は電子機器に詳しい層しか知らなかったSIMフリーをエントリー層にも使ってもらえるよう、アフターサービスに注力した。アプリの入れ方が分からないというレベルの人にも基本から教えている。