種苗業界、初心者を“育成” 食への安全志向高く市場拡大機運 (3/3ページ)

2014.4.23 06:08

 同社は昨年10月に設立した日本デルモンテアグリに野菜苗事業を移管。インターネットのサイトを通じて初心者のサポートを強化しており、育て方を解説する動画のほか、メルマガを使った栽培サポート事業など新たな試みも計画している。

 大型連休が試金石

 サントリーの花事業部が分社・独立したサントリーフラワーズ(東京都港区)は野菜苗「本気野菜」のラインアップを見直し、初心者に人気のトマト、キュウリ、ナスなどの種類を増やす一方、人気が低いオクラやエダマメなどの販売をやめた。

 調査会社の矢野経済研究所によると、2015年度の家庭菜園向けの野菜苗・果樹苗市場は消費者の健康志向や食への安全志向を原動力に13年度見通し比で6.7%増の160億円となる見通し。東日本大震災後の節電意識の高まりで、ゴーヤなどのツル性の植物を育てて日差しを和らげる「緑のカーテン」が広まり、需要が拡大した11年度に迫る伸びが期待されている。

 ガーデニング産業の関係者らは「緑のカーテンの普及が一巡した今は、空のプランターが狙い目」と口をそろえる。節電をきっかけに野菜作りを始めたものの、現在は疎遠になった人たちを「第2の初心者」と捉え、呼び戻そうという戦略だ。トマトの簡単な育て方などでファミリー層のやる気を刺激し、家の隅に眠るプランターを引き出すことができるか。大型連休が一つの試金石となりそうだ。(佐藤克史)

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