規制委が優先的に審査を進める「優先原発」に選ばれ、全国で最も早い再稼働が見込まれる九州電力川内原発1、2号機(鹿児島県)についても、福井地裁の判決の影響で「原発反対派が活気づくかもしれない」(九電幹部)との懸念があり、経済産業省幹部も「再稼働が難しくなる可能性はある」と指摘する。それだけに、関電社内からは「審査が終了するまでに、判決を逆転しなければならない」との切実な声も上がる。
敦賀1、2号機(福井県)と東海第2原発(茨城県)の運転差し止め訴訟を起こされている日本原子力発電の浜田康男社長は同日、「われわれのスタンスを裁判所に伝え、裁判官の理解を得たい」と述べた。
福島事故後、相次ぐ原発の停止による火力燃料費の増大で電力各社の経営は軒並み悪化している。経産省は出力100万キロワット級の原発1基が再稼働すれば、年間約900億円のコスト削減効果があると試算する。再稼働できなければ、経営改善も遅れるため、業界内では焦燥感が高まっている。(宇野貴文)