鍋メニューの提供がきっかけで、深刻な人材不足に陥ったすき家。ゼンショーHDの小川賢太郎会長兼社長は善後策を急ぐ(コラージュ)【拡大】
ゼンショーHDは「パワーアップ改装のため3月20日から休業中」と説明する。だが、店内で工事が行われている様子はうかがえない。同HDによると「改装中」の店は全1990店舗のうち137店舗(22日現在)にのぼる。都内の別店舗で働く男性従業員(24)は「人繰りがつかないために『改装』が長引いている店も多い」という。
集まらない人手を、ゼンショーHD傘下の別チェーン「なか卯」からの融通でしのごうとしている-。同社は否定するが、今月中旬にはネットの掲示板にこんな書き込みもなされた。実際に男性従業員は「春以降の騒動で、自分も近隣店の応援に入る日が増えた」と打ち明ける。
同HDによると、すき家は3月、人手不足を理由に営業を休止・短縮した店が一時123店舗に上った。4月以降は「採用が好転しつつある」(同社)という。それでも、人手不足による休業は6月末時点でなお30店舗残る見通しだ。一連の店舗休止により、平成27年3月期の連結営業損益は8億7000万円程度下ぶれする見通しだ。