鍋メニューの提供がきっかけで、深刻な人材不足に陥ったすき家。ゼンショーHDの小川賢太郎会長兼社長は善後策を急ぐ(コラージュ)【拡大】
過酷な「ワンオペレーション」
「お客さまに多大なご迷惑をかけ、申し訳なく思っている」
ゼンショーHDの小川賢太郎会長兼社長は、今月14日の決算会見で陳謝した。
「吉野家」など他の牛丼チェーンでは、1店舗に社員を含む2人以上の配置する。これに対しすき家は、アルバイト1人だけで1店舗を切り盛りする独自の運営手法「ワンオペレーション(ワンオペ)」を導入した。人件費を大幅に抑え、利益率を高める狙いだ。
だが、注文から調理や配(はい)膳(ぜん)、会計、清掃までを1人で行うため、複数の客が訪れた場合、十分手が回らないケースも少なくない。さらに今年2月には吉野家に続き、すき家も鍋メニューを始めた。
1食分ずつ小分けして保管する「牛すき鍋定食」は、大鍋で煮込む牛丼に比べ作業の負担が大きく、バイトの一斉退職を引き起こした。