鍋メニューの提供がきっかけで、深刻な人材不足に陥ったすき家。ゼンショーHDの小川賢太郎会長兼社長は善後策を急ぐ(コラージュ)【拡大】
居酒屋チェーンなどを運営するワタミの桑原豊社長は8日の決算発表会見で、こう打ち明けた。正社員やアルバイトの確保が難しくなったワタミは、26年度中に60店舗を閉鎖して1店舗当たりの従業員数を増やす施策を発表した。だが、4月に入社した社員は120人と目標の半分にとどまり、経営のあり方の見直しを迫られている。
人材確保に向け、うどんチェーンのグルメ杵屋は、パートやアルバイトの5%に当たる約440人を7月ごろから正社員に切り替える。また、スターバックスコーヒージャパンは約800人の契約社員をすべて正社員とするなど、雇用のあり方も変化しはじめた。
野村証券の繁村京一郎シニアアナリストは「外食産業は採用・退職のハードルが比較的低い。働きやすさを高めなければ人材争奪戦に勝てなくなる」と指摘する。人材確保は、経営の土台を揺るがしかねない喫緊の課題となっている。(山沢義徳)