アルストムの2014年3月期の部門別売上高【拡大】
この案件は国内の頭打ちを受け、海外に活路を見いだそうとしていた日本勢に衝撃を与えた。米独2社のいずれが買収するにせよ、太刀打ちするのが難しい巨大なライバルが誕生するのは確実だからだ。米独2社のエネルギー部門売上高はそれぞれGEが756億9000万ドル(約7兆7200億円=13年12月期)、シーメンスが266億3800万ユーロ(13年9月期)。これに2兆円規模のアルストムの事業が上乗せされる。
これに対し、三菱重工と日立製作所が今年2月に設立した火力発電システムの合弁会社、三菱日立パワーシステムズの規模は約1兆2000億円。両社にとってアルストム買収の動きは、事業統合によってようやく国際競争のスタートラインに立った矢先の出来事だった。
5月12日に行われた日立の中期経営計画記者会見で中西宏明会長兼最高経営責任者(CEO)は「(アルストム買収話は)三菱重工との火力発電合弁会社設立が一つのトリガー(引き金)になったかもしれない」と指摘。今後の具体的なシナリオにこそ言及しなかったものの、アルストム買収など海外の動向に関心を示した。