東京電力が経営再建策の柱と位置付ける燃料・火力部門の包括提携をめぐり、東電は名乗りを上げた5社との本格協議に入った。一時は交渉難航が懸念されたものの、東電は各社と個別に「秘密保持契約」を結び、夏ごろまでに1社に絞り込む構えだ。東電との包括提携が実現すれば、首都圏に足場を築く好機となるだけに、競合5社の水面下の「腹の探り合い」(エネルギー大手幹部)が激しくなっている。
5社とも実績備え
「守秘義務を課され、他社と情報交換ができない。東電から少しでも他社の提案内容を探ることができれば…」。5社のうちのある幹部は、交渉の現状についてこう打ち明ける。
包括提携に名乗りを上げたのは、関西電力、中部電力、東京ガス、大阪ガス、JX日鉱日石エネルギー。実は、この5社に具体的な提携策を示すよう頼んだのは東電側だ。「燃料調達から火力発電まで、丸ごと東電と組む力のあるエネルギー企業を厳選した」(東電関係者)。夏ごろに優先交渉先を選定し、年末をめどに提携先を決める日程に間に合わせるためのものだ。