アルストムとの合弁に成功したGEのジェフ・イメルト会長兼最高経営責任者(後列中央)ら。三菱重工の宮永社長(左)は、戦略転換を強いられる(コラージュ、写真はロイター)【拡大】
GEとシーメンスによる米欧2強の買収合戦だった当初、推移を最も注視していたのは三菱重工だった。エネルギー部門が売上高全体の約3割を占める同社にとって、ガスタービンを始めとする火力発電設備は中核事業だ。世界2強のGE、シーメンスとの差を縮めるため、今年2月に三菱日立パワーを立ち上げた矢先の争奪戦だけに、成り行き次第では差が致命的に広がる恐れがある。
ただ、1兆7000億円と巨額の買収費用がネックとなり、単独で名乗りを上げるのは困難だ。身動きのとれない三菱重工にとって、シーメンスからの共同提案は渡りに船だった。オファーを受けた宮永社長は6月15日にパリに飛び、共同で事業買収・提携の提案書を提出。フランスのオランド大統領との会談や、アルストム労組との折衝などを精力的に行った。
格差拡大
「アルストムはフランスの企業であり続けた方がよい」
宮永社長は17日、フランスで開いた会見で合弁案を提示し、完全買収を打ち出したGE案を牽(けん)制(せい)した。その後、買収金額で上回るGEも合弁案に転じた。結果敗れたとはいえ、GEによるエネルギー部門の完全買収は阻止した形だ。