株主総会を乗り切った武田薬品工業のウェバー新社長と長谷川氏(右上)。ただ、創業一族からは「失敗すれば総退陣」との制約をつきつけられている(コラージュ)【拡大】
原氏らは事前質問で、外国人を数多く取締役や経営幹部に選任してきたことについて、「形の上からのみの実態を伴わないグローバル化」と指摘した。確かに武田は近年、外国人を含めた外部からの取締役や、上級幹部の起用を加速している。今回の総会を経て、取締役7人のうち3人が、経営幹部会議の定例メンバーの9人のうち5人が、外国人となった。
問われる覚悟
「今のタケダはおかしい」「このままではタケダはダメになる」-。
昨年来、原氏らOBのもとには、現場にいる現役社員からの切実な声が集まったという。外国人をはじめとする経営幹部に外部からの起用が増える一方で、研究職の幹部らの離職などもあり、武田の発展を支えてきた創薬など中核技術の流出への危惧が現場に広がった。原氏らが「憂う会」を立ち上げたのは、こうした武田への懸念が背景にある。
原氏らに対し、長谷川氏は「ミレニアム社は買収時に期待した以上の貢献」「ナイコメッドも大きな貢献をしている」などの成果を理由に反論。ウェバー氏についても「きちんと社内の意思決定プロセスを踏んで迎えた人材」と重ねて強調した。
総会の最後に一人の株主が質問に立った。「武田でございます」と名乗ったその株主は、創業家一族の一人。穏やかな、だが芯の強さを感じさせる口調で、こう質問した。