これに対し、民間エコノミストには「賃金増が物価上昇に追いついていない」と指摘する声が多い。実際、6月の実質賃金指数は前年同月比3.8%減と12カ月連続でマイナス。今後も劇的には改善せず、物価上昇の歯止めになるとみている。
宮前シニアエコノミストも「賃金が2%上がれば、物価上昇率2%は可能」と分析する。ただ、今年の春闘では多くの大手企業がベースアップを含む賃上げを実施したが、来年も続くかは微妙。ある自動車大手の幹部は「物価上昇分を賃金に反映させたいが、競争環境が熾烈(しれつ)になっており、慎重にならざるを得ない」とこぼす。
13年度と同様に今回も黒田氏の強気の見方が、民間エコノミストの“総意”を打ち砕くのか。当面は物価上昇率の「1%割れ」の有無が焦点となる。
黒田総裁も増税の影響などで7月以降、物価上昇率が落ち込むことは認めるが、7月15日の記者会見では「1%台を割る可能性はない」と言い切った。