これに対し、みずほ証券の上野泰也・チーフマーケットエコノミストは「0.9%ぐらいまで落ち込むと思う」と指摘。それが現実のものとなれば、「そこからV字回復するというのは非現実的」(上野氏)とする。
黒田氏には追加緩和というカードがある。ただ、現時点ではあくまで強気のため、市場では「年内の追加緩和を見送る可能性は8割」(宮前氏)などと、1%をギリギリ割り込むぐらいでは追加緩和はしないとみられている。
追加緩和に踏み切れば、「効果がなかった場合の失望感はより大きくなってしまう」(都銀大手)という事情もあるため、軽々にはカードを切らず、「期限を曖昧にして現在の緩和策を続けるのではないか」と宮前氏は分析する。
実際、黒田総裁は今春、「14年度の終わり頃から15年度にかけて」としてきた2%の到達時期について、「15年度を中心」と幅を持たせた表現に変えた。
こうした微修正で市場をコントロールし続けることができるか。「今後数カ月で日本経済に好転の兆しが見えなければ、アベノミクスと日銀の量的緩和策は失敗したと判断できる」(中国の経済日報)という見方が広がる前に“サプライズ緩和”に踏み切る可能性も否定はできない。黒田総裁は1日、都内での講演で「必要となれば、躊躇(ちゅうちょ)なく調整を行う」と強調した。(藤原章裕)