「プロ意識」で安全運行
プラットホームを備えた駅もあり、道路脇には勾配標など鉄道特有の標識が並ぶ。道路は上り下り共用の単線。バスなら待避場所でそのまますれ違えばいいが、無軌条電車は鉄道と同様に衝突事故を防ぐため、「タブレット」と呼ばれる通票を運転士が交換し、安全を確認して行き違う。
無軌条電車の元運転士で、現在は安全運行を統括する伊藤元紀運輸長(56)は「運転は独特で、特有の運転操作を取得する必要がある。急ブレーキにならないよう常にきめ細かな運転を心がけてきた」と話す。
無軌条電車は現在、立山黒部アルペンルートに2路線のみ。部品の調達には苦労も多く、自社で部品を調整し、96時間ごとに検査を繰り返してきたという。