終戦直前、幻の「橘花」に積まれた世界初のバイオジェットエンジン (2/3ページ)

2014.8.4 13:21

報道陣に公開された、MRJの強度試験を行う技術試験場=3日、愛知県豊山町(志儀駒貴撮影)

報道陣に公開された、MRJの強度試験を行う技術試験場=3日、愛知県豊山町(志儀駒貴撮影)【拡大】

  • 三菱重工業名古屋航空宇宙システム製作所史料室に展示されている零戦(復元機)=愛知県豊山町

 それでも、蓄積した研究成果や技術で補完し、ネ20は完成した。ネは「燃焼噴射推進器」の頭文字。日本生まれのジェットエンジンを作るという技術者たちの思いがこもっている。組み立ては群馬県の農家の養蚕小屋などで行われた。

 初飛行から8日後、日本は終戦を迎えた。日本初のジェットエンジンの開発はここでストップした。

 石川島重工が航空エンジン事業に復帰するのは昭和29年。米ゼネラル・エレクトリック(GE)が開発したジェットエンジンの部品生産で技術提携した。当初は単純な交換部品の生産だったが、次第にライセンス生産も手がけていく。

 原田氏は「それが新しい技術を身につけるための唯一の情報収集の方法だった」と指摘する。その中で、品質管理や生産技術などを磨いた。

 「ジェットエンジンを作れなければ、日本は三等国だ」。経団連会長なども務めた元石川島重工社長の土光敏夫氏は、他社が手を引く中、こう言ってジェットエンジンの開発・製造の旗を振ったという。

 現在、航空機用ジェットエンジンの市場はGEなど欧米大手に占有されている。戦後、日本のジェットエンジンの開発が止まっている間も知識や技術を蓄積し続けてきたからだ。

「日本企業がいなくなれば開発はストップする」ほどの存在感

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