《入社した翌年の1964年に東海道新幹線が開業するものの、国鉄は赤字に転落し、経営は先の見えない下り坂を転がっていく。入社早々、国鉄という組織に大きな失望を味わったという》
「入社して1年がたったところで、この組織はいずれ崩壊すると思った。のんびりしていて、危機感がない。早く抜けた方が身のためだ、辞めようかと思って、上司にも考えを伝えた。しかし、それで自分が何をやりたいのかが分からなかった。だから、やりたいことが明確に見えてくるまでは国鉄にいようと考えた。それまでの私の人生は、他人の期待に応えるよう努めてきた。これを機に自分のやりたいこと、正しいと信じることに取り組もうという生き方に変わった。開き直って、全てを客観的に見ながら生きてきた」
国鉄分割民営化を牽引
《国鉄は巨額の債務にあえぎ、数度にわたる再建計画も行き詰まっていた。経営計画や予算を立案する中枢部門を歩み、やがて国鉄改革を牽引(けんいん)する一人として奮闘することになる》