「コア層」の把握も
録画再生率とリアルタイム視聴率(対象600世帯)は調査の母集団が異なるため、数値を単純に足すことはできない。ただ、民放幹部は「各局とも連続ドラマの視聴率は低迷傾向にあるが、『ドラマは後で見る』という視聴者の実態が目に見えるようになった」と歓迎する。
2つのランキングが必ずしも連動していないのも特徴だ。例えば、リアルタイムでの平均視聴率が16・0%だった「花咲舞が黙ってない」(録画再生率7位)よりも、同11・0%の「MOZU」(録画2位)や11・1%の「アリスの棘(とげ)」(録画4位)の方が上位に入っている。
上智大の碓井広義教授(メディア論)は「ランキング上位には、必ずしも万人向けでない作り込まれた作品が多い。そういう作品は集中して見たいという視聴者のニーズが反映されたのではないか。これまでは数字に表れなかった『コアな視聴者層』の動きを把握できるようになったのは大きい」と指摘する。