14年度も赤字となり、繰り延べ税金資産が認められなければ、財務の健全性を示す自己資本比率が6月末の15.2%から「危険水域」とされる1桁台に落ち込む恐れがある。
原発が止まる前の10年度でみると、発受電電力量に占める原発の割合は関電と北海道電力が44%と最も高く、北海道電の財務悪化も深刻だ。一足先に再値上げを申請した北海道電の6月末の自己資本比率は8.5%とすでに10%を割り込み、借金が資産を上回る「債務超過」の危険性もはらんでいる。
同月末の九州電力の自己資本比率も9.6%と、危険水域の1桁台まで下げた。電力各社の財務状況は危機的で、銀行からの借り入れなど資金調達が難しくなる恐れがある。資金繰りの悪化が設備投資の遅れや人件費の過剰な圧縮につながれば、電力の安定供給にも支障をきたしかねない。
原発再稼働が見通せない中、財務状況を改善させる手立ては乏しく、今後、各社が再値上げに向け本格的な検討に入る公算が大きい。