長期金利の低下を受け、大手銀行が9月適用分の住宅ローン金利を一斉に引き下げる。すでに前月に過去最低を更新しており、借り手にとっては一段と利用しやすくなる。半面、銀行にとってはローンの利ざやが縮小し、利益を上げにくくなる。
主要銀行の9月の住宅ローン金利は一部銀行を除き一斉に引き下げられる。引き下げ幅は主力の10年固定型の最優遇金利で、年0.05~0.1%。長期金利の指標である新発10年物国債の利回りが節目の0.5%を割り込んだことに加え、ローン販売で「他行の動向もかなり意識している」(大手銀)。とく看板商品である10年固定型が金利引き下げ競争の主戦場となっている。
不動産協会によると、首都圏マンションの4~7月期の供給戸数は前年同期比で3割減った。消費税増税前の駆け込み需要の反動減で各行とも住宅ローンの新規貸出額は2~3割減少しており、回復の兆しは見えていない。このため、顧客にとって最大の魅力である金利で競い合う意識が強まっている。