ダイハツ工業は2日、15年ぶりに全面改良した軽トラック「ハイゼット」を発売した。ガソリン1リットル当たりの燃費性能は前モデルに比べて約17%向上し、19.6キロに高めた。価格は、65万3400~119万8800円とした。ライバルのスズキが1年前に「キャリー」を14年ぶりに刷新しており、ダイハツも追随した格好だ。ダイハツは車体の色にピンクを採用するなど女性視点を盛り込み、差別化を図る戦略に打って出た。
「農業シーンで女性が輝くお手伝いをしたい。日本全体がもっと元気になるようにしていく」。都内で会見した三井正則社長は、今回の全面改良が女性をターゲットに置いたことを強調した。会見には、自ら農業を行う安倍昭恵首相夫人も招いた。
ライバルのスズキが昨年8月、俳優の菅原文太さんをテレビCMのキャラクターとして起用し、「軽トラ野郎」などと、男臭さを前面に打ち出したことに対する「真逆」ともいえる戦略で、ピンクやカーキなど8色から選べる豊富なカラーバリエーションを用意。乗り降りしやすいように、運転席の床をこれまでより約4センチ低くするなど女性の取り込みに本腰を入れた。