一方、永守社長は社外の人材起用を進めており、過去4年間でパナソニックやシャープなどを退職した技術者を100人以上雇用している。経営層のスカウトにも積極的で、昨年には、日産自動車の常務執行役員に就任が内定していてカルソニックカンセイ社長だった呉文精氏を副社長兼最高執行責任者(COO)に招いた。こうして、日本電産の現経営陣は社外取締役を除く9人のうち、6人が日産自動車や三菱自動車、旧三菱銀行など他社出身者で占めており、社外の人材や技術を自社の成長に取り込むのが特徴だ。
片山氏は、液晶の技術者出身。液晶ディスプレーのテレビや携帯電話への搭載を手掛け、「液晶のシャープ」を実現させた。パネルの高輝度化や大画面化を進める技術を開発し、関係者は「液晶関連の特許取得で活躍したアイデアマン。特許の権利は会社にあるが、貢献度に応じて支払われる対価は相当なもので、片山氏の自宅は“アクオス御殿”と呼ばれることもある」と解説する。