日本で知名度低い「サイバー保険」 米国は市場急拡大…この差はなぜ? (4/5ページ)

2014.9.21 07:04

AIU損害保険(東京)が日本で取り扱いを始めた「CyberEdge(サイバーエッジ)」

AIU損害保険(東京)が日本で取り扱いを始めた「CyberEdge(サイバーエッジ)」【拡大】

  • セキュリティー企業「トレンドマイクロ」が6月に都内で開いたサイバー対策の講座。多くの企業関係者が訪れ、関心の高さをうかがわせた
  • サイバー攻撃を遠隔監視するNECのセキュリティーオペレーションセンター。サイバー攻撃に対する企業の対策は進んでいる

 日本では理解されない想定リスク

 日本でも当然、社内システムのウイルス感染による情報漏洩(ろうえい)などの被害が連日のように報道される中、サイバーテロの脅威を感じない経営者はほとんどいない。だが、いざサイバー保険の加入となると二の足を踏む企業が多いのが実情だ。

 「まだ攻撃を受けてもいないのに、なぜ被害を想定した費用をつぎこまないといけないんだ」

 大阪府内の中堅企業で、サイバー保険への加入の必要性を訴えたセキュリティー担当社員が、上司にそう指摘され、加入を断念したという。同社では、すでにサイバー攻撃を防ぐ対策費用に多額の投資に踏み切っており、被害が発生した場合の想定リスクにまで投資する余裕がなかった。

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