日本では理解されない想定リスク
日本でも当然、社内システムのウイルス感染による情報漏洩(ろうえい)などの被害が連日のように報道される中、サイバーテロの脅威を感じない経営者はほとんどいない。だが、いざサイバー保険の加入となると二の足を踏む企業が多いのが実情だ。
「まだ攻撃を受けてもいないのに、なぜ被害を想定した費用をつぎこまないといけないんだ」
大阪府内の中堅企業で、サイバー保険への加入の必要性を訴えたセキュリティー担当社員が、上司にそう指摘され、加入を断念したという。同社では、すでにサイバー攻撃を防ぐ対策費用に多額の投資に踏み切っており、被害が発生した場合の想定リスクにまで投資する余裕がなかった。