三菱日立パワーシステムズ製のガスタービン。世界に誇る日本の発電技術は、こうしたタービンをはじめとする先端的な技術、ノウハウによって切り開かれてきた【拡大】
◆原子力が3割負担
ただ、太陽光に代表される自然エネルギーには弱点がある。稼働上のムラが激しいという点だ。現時点では大容量の蓄電が難しいこともあり、夜間や天候不良が長引いた場合でも電力を安定供給する仕組みが必要となる。そうした電力の安定供給は、1970年代までは石油が、最近では石油に代わって原子力やLNG(液化天然ガス)が担ってきた。
目下の電力にまつわる最大のテーマは、この安定供給をどうするのか、だろう。裏を返せば原子力をどうするか、でもある。
原子力発電は、震災前の2010年度には発電電力量ベースで全体に占める構成比が28.6%と、実に日本の電力の3割を担ってきた。これが震災を機にほぼゼロになった。不足分は火力で補われた。中でも、石油火力の稼働が急増した。
オイルショックの反省から進められた“脱石油”“脱中東”の動きは、2003年に初めて策定された「エネルギー基本計画」にも引き継がれ、石油火力は一貫して稼働率を下げてきた。オイルショック後は、特殊なものや特定の地域を除いて新設されなかっただけに、現在稼働している石油火力発電所の大半は旧式だ。にもかかわらず、石油火力への依存が避けられない。日本にはもはや発電設備に余裕がないのだ。
それでも、なんとか電力の安定供給は続けられている。このため、次第に市民の危機意識は薄れ、長期的な重要課題という新たな側面が取り沙汰されることも減ってきた。
確かに、安定供給されればいいという考え方もある。が、石油は世界的な需要増や産出地域の紛争、折からの円安などを背景に調達コストがあまりにも高い。しかも、発電設備は古く、効率上も改善の余地が大きい。今後も石油火力を盛大に使用し続けるのは得策ではない。では、他に頼りになりそうなものはあるのか。