三菱日立パワーシステムズ製のガスタービン。世界に誇る日本の発電技術は、こうしたタービンをはじめとする先端的な技術、ノウハウによって切り開かれてきた【拡大】
◆日立製作所と事業統合
日本の発電技術は、世界トップレベルにある。この技術力は、13年度の電力量構成比で43%以上にもなっているLNG、同30%を超えた石炭火力などに生かされている。例えばLNG。まずはガスタービンで気化した天然ガスを燃焼させ、ここで得た動力で発電機を回して発電する。さらに、ガスタービンから発生する熱で排熱回収ボイラーを用いて蒸気を発生させ、発電機につながった蒸気タービンで再度発電する。この“コンバインドサイクル”と呼ばれる複合発電に最先端のタービン技術などが投入された結果、最新の設備は稼働中のものでも発電効率が60%に達している。三菱重工業と日立製作所の火力発電事業を統合して2月に発足した三菱日立パワーシステムズは、1650度という高い燃焼温度を実現するガスタービンの開発を進めており、実用化時の発電効率は63%にも達するとみられる。
一方、ガスなどと違ってコンバインドサイクルが困難な石炭でも、蒸気タービンを駆動させる蒸気を高圧高温化することで発電効率を42%以上にまで高めたプラントが稼働し始めている。公害防止や高効率運転の進展は、安価な燃料である石炭の可能性を広げるものとして注目される。
昨年11月には、福島県いわき市にある常磐共同火力の勿来(なこそ)発電所の石炭ガス化複合発電(IGCC)が、IGCC設備の連続運転で世界最長記録を更新した。IGCCは、石炭をガス化して燃料に利用する。発電設備は、固形物である石炭では難しかったコンバインドサイクルを活用。石炭を使った超高効率発電を実現する“夢の技術”と目されている。
これらの最先端技術は、エネルギーの世界に新たなベストミックスの“選択肢”を提供する。あわせて、日本の製造業が注力すべきプラント輸出の有力分野としての期待も大きい。石炭やLNG活用の最前線をみてみよう。
◇