新興国で人気の大容量インクタンクを備えたインクジェットプリンターも、従来のプリンター市場の常識を覆した商品力で販売を急速に伸ばしている。
プリンターはインクカートリッジを交換してもらうことでもうけるビジネスだが、新興国では純正ではないカートリッジが出回り、「利益が出にくかった」(碓井社長)。このため大容量のインクタンクを備え付け、カートリッジの交換方式をやめることで非純正品を排除。使い勝手の良さも受けて、今年度は13年度比約6割増の430万台を販売する計画だ。
セイコーエプソンは、円高などの影響で11、12年度と減収、営業減益の苦戦を強いられた。だが「ビジネス向けにインクジェットを強化してきた成果が出た」(碓井社長)ほか、収益性の高いビジネス向けの高機能プロジェクター販売が伸びたことで、14年3月期の売上高は前期比17.9%増の1兆36億円と5年ぶりに1兆円を超える飛躍を遂げた。
「構造改革を進め、収益性の高い領域に各ビジネスがシフトできてきた」。碓井社長は好調の要因をそう説明する。