今後のビジネス戦略を説明するLINEの森川亮社長=9日午後、千葉県浦安市【拡大】
無料通話アプリ(応用ソフト)のLINEは9日、銀行口座と連携した新しい決済機能の導入や、音楽・ゲーム大手と合弁で始める新事業を発表した。知人との手軽なメッセージ交換を入り口にした同社のサービスは、提供開始から3年で利用者が全世界で5億6000万人を超えた。新サービスを多方面で急拡大する“攻めの戦略”が明らかになったことで、時価総額1兆円規模とみられる株式上場の時期がこれまで以上に注目を集めるのは間違いなさそうだ。
「今まではデジタル空間で閉じた世界観だった。今後は『ライフ』をキーワードに、日常生活に溶け込んだサービスインフラを目指していく」
森川亮社長は同日、千葉県浦安市での戦略発表会見で力強く意気込みを語った。
全項目の発表が終わるまで約3時間、経営幹部が次々に登壇し、サービス領域を広げる新たな取り組みを発表した。
このうち、年内に導入予定の決済機能「ラインペイ」は、クレジットカード各社やみずほ銀行、三井住友銀行と提携。実店舗や通販サイトへの支払いといった他社の電子マネーでも提供している機能に加え、知人に送金できるのが特徴。現金を持たなくてもスマートフォンを使った「割り勘」が可能になる。