20ナノシリコンペーストで高効率
太陽電池の裏面に液体を塗ってレーザーで焼き付けるだけで発電効率が高まる-。帝人が9月の応用物理学会で学術発表した液体状の材料「NanoGram(ナノグラム)シリコンペースト」とこの材料を使った加工技術が、次世代の太陽電池の製造手法として注目を集めている。再生可能エネルギーの「本命」ともいわれる高効率の太陽電池が簡単に製作できて費用も抑えられるからで、2020年に2兆7000億円に拡大する見込みの太陽電池市場を席巻する可能性もある。
開発したのは、ナノグラムシリコンペーストを使った新しい太陽電池「L-BSF(ローカルバックサーフェスフィールド)型」の製造手法。太陽光を受けるシリコンウエハー(基板)の裏面に、電気を効率的に集めるリンやホウ素などの元素を含んだ層をつくる仕組みだ。
汎用品のライン活用可能
この層の形成に、直径20ナノ(10億分の1)メートルの超微細粒子を液体状に加工したナノグラムシリコンペーストを活用。