リクルートホールディングス(HD)が16日、東京証券取引所第1部に新規上場し、公開価格を70円上回る3170円の初値をつけた。初値の時価総額では1998年のNTTドコモ(約8兆8000億円)以来の大型上場で、終値の3330円でみた時価総額はソニーや東芝に匹敵する大きさとなった。同社は上場で得た資金を活用し、海外を中心にM&A(企業の合併・買収)を加速させる。少子化などで国内市場は今後伸びが見込みにくい。このため海外事業を飛躍的に拡大させ、人材派遣事業分野の世界トップ3に挑む考えで、世界的にも「台風の目」になる可能性がある。
「1000億円超可能」
「2020年に人材領域で、30年には人材・販促領域でグローバルでナンバーワンになる」。東京都内で同日午後に開いた記者会見で峰岸真澄社長はこう述べ、世界首位を目指す考えを表明するとともに「1000億円を超える買収案件が可能になる。培ってきた企業文化やノウハウを生かし、海外展開を進めたい」と強調した。
同社は、上場に伴う自己株式の売却や公募増資で調達した1082億円を人材関連事業の拡大に向けたM&Aなどに充てる方針だ。上場によって株式交換方式による買収なども可能になり、海外展開の自由度は格段に増す。同社は14年3月期に23%だった海外売上高比率を、中長期的に50%へ引き上げる。