だが、ネットやエンタメ関連業界に詳しい国内証券大手アナリストはこう解き明かす。「(上場延期について)2つの理由が挙げられる。一つはコンプライアンス上のリスクだ」。LINEにとって、ニュース記事や、ネット掲示板「2ちゃんねる」への書き込み内容などをテーマ別にまとめる人気サイト「NAVERまとめ」「ライブドアブログ」への広告料は収益源の柱。だが、このビジネスには、著作権侵害などの訴訟リスクがある。
実際、今年に入り、2ちゃんねるを運営する海外法人は、まとめサイトへの転載を全面禁止すると表明。また8月には、ライブドアブログの人気まとめサイトの運営者を相手取り、名誉毀損(きそん)で損害賠償を求める訴訟が起こされた。こうした訴訟が相次げば、「名誉毀損の書き込みを放置した」として、LINE傘下のライブドアが責任を問われる恐れもある。同アナリストは「こうしたトラブルの芽を上場前に解消することが不可欠だ」と指摘する。