【番頭の時代】(1)社外から「やってみなはれ」 新浪剛史・サントリー社長 (4/5ページ)

2014.11.11 05:00

 プロ経営者は収益や業容の拡大、風土改革などに手腕を発揮することが最大の使命だ。新浪も同様だが、彼の使命はそれだけではない。

 サントリーHD会長の佐治信忠には、悔いがある。

 「大きなことはすべて自分で決めてしまった。そのおかげで、内部に後継者を育てきれなかった」

 社内外では創業家出身で、サントリー食品インターナショナル社長の鳥井信宏が後継者とみられてきた。その鳥井を名経営者に育てることこそ、新浪に課せられたもう一つの使命だ。

 株式を公開していない非上場会社のサントリーHDは、約9割の株を創業家一族の資産管理会社「寿不動産」が握る。オーナーに請われて、跡取りを育てるという新浪の使命は、プロ経営者の範疇(はんちゅう)を超える。それはまさに、プロの番頭=BANTOUのミッションに他ならない。

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 「サントリー社長の話を受けたいと思います」

 今年春、新浪は三菱商事会長の小島順彦や、相談役の佐々木幹夫を訪ね、自らの進退と後任について相談した。経営者としての最初のレールを敷いてくれた佐々木や小島らに「まず相談した上で、佐治さんに初めて『イエス』を伝えた」という。

 新浪の将来性を買って、三菱商事からローソンの社長に送り込んだのは小島だ。しかし、当時は強烈な個性を放つ新浪のトップ就任を快く思わない雰囲気も少なからずあった。

 小島は、新浪より年上の三菱商事出身のローソン幹部を、1人ずつ呼んで新浪を支援するよう説得した。また、ローソン社長だった藤原謙次に「会長にとどまり、新浪をサポートしてほしい」と依頼したという。

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