ホンダは17日、来年度に商品化を予定している燃料電池車(FCV)の試作車「ホンダFCVコンセプト」を世界初公開した。セダン型の5人乗りで、エンジンの代わりとなる「燃料電池スタック」をガソリン車のように運転席前部のボンネット内に置いたのが特徴。将来的にはセダン型以外にも展開を広げたい考えだ。
ホンダの伊東孝紳社長はこの日の発表会で、「(既に投入しているリースモデルと比べ)さらなる性能向上とコストダウンを目指し、大人5人が快適に座れる。移動する喜びや感動をいつまでも分かち合うため、夢の力で水素社会を切り開きたい」と述べた。
FCVはタンクに入った水素と酸素を化学反応させ、モーターを回して走る仕組みで、走行中は水しか出さない。水素充填(じゅうてん)にかかる時間は約3分で、最大航続距離は約700キロ以上。
価格は未公表だが、「競争力のあるものにしたい」(伊東社長)としており、トヨタ自動車が予定している700万円程度と同レベルになりそうだ。