トヨタ自動車の高級車ブランド「レクサス」が10月23日に発売したスポーツクーペ「RC」。「エモーショナル(情緒的)な走り」を掲げるレクサスブランドを牽引(けんいん)するニューモデルで、独メルセデス・ベンツや独BMWなど海外高級車メーカーに真っ向勝負を挑む。2ドアで積める荷物も少ないが、自動車ファンなら一度は憧れるクーペ。565万円からという価格設定にも関わらず、事前受注は900台に上る。開発を指揮した草間栄一主査は、レクサスで初となる「セクシーなデザイン」を目指したと語る。
--開発はいつから始まったのか
「平成23年5月。22年にクーペタイプの『SC』の生産が終了し、レクサスの“エモーショナルな価値”を上げる車がなくなっていた。(ドイツ勢など)競合のプレミアムブランドと比べても、早く出してほしいというニーズがあった。クーペを作り、レクサスのブランドイメージを変えるというのが私のミッションだった」
--3年半という短期間で発売できたのは
「通常は新型車の開発は4~5年かかる。開発初期でいろんな車を組み合わせて試作車を作るが、今回それをやめた。社内的には抵抗があったが、ある程度デザインができたところで試作車を作り、図面や品質の作り込みに時間をかけた。『RC株式会社』の社長になったつもりでやった」