【番頭の時代】(5)日本電産の「補佐役」たち(上) (4/5ページ)

2014.11.18 05:00

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 他業界からそうそうたる幹部をかき集めた永守の「番頭」戦略は、日本電産のM&A戦略と共通の考え方によるものだ。永守は「時間を買う」と表現する。時間をかけて技術や販路を構築・取得していては、他社に後れをとる。経営のスピードを上げるために、永守は他社の買収をいとわない。人材も同様だ。

 日本電産は1973年の創業以来、国内外の39社をM&Aで傘下に収めた。今年1月には車載用モーターの三菱マテリアルシーエムアイを、3月には車載システムのホンダエレシスを買収した。だが、「乗っ取り」とは大きく異なる。

 赤字で倒れそうな会社を譲り受けても、一貫して解雇は行わない。自ら乗り込んで、社員らと交流し仕事のやり方を教育する。自信とモラルを取り戻せば、企業はおのずと再生する。

 「最後は人と人。『永守イズム』をいかに理解してもらえるか。真剣にこういう会社で働きたいと思ってもらえるかだ」

 日本電産に転身し、間近で永守を見てきた呉は、永守のM&Aの秘訣(ひけつ)をこう説明する。それは各社の幹部に、日本電産への転身を決意させた永守のアプローチとも重なる。

 自らが先頭に立ち、365日ハードワークを続ける。そんな永守の仕事に対する姿勢が、企業を再生させ、優れた番頭集団を引きつけた。類を見ない“カリスマ”の仕事だが、永守はこともなげにいう。

 「信用の積み重ねが、成功を生む」(敬称略)

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