【番頭の時代】(7)ナンバー2なきファーストリテイリング (1/5ページ)

2014.11.20 05:00

 ■経営手法合わず、たもと分かつ

 ■同じ価値観と哲学、社外に求め

 開業前の新店舗に、女性を中心とする若者が長い列を作った。1998年11月28日。フリースブームの火付け役となったユニクロ原宿店のオープンを見届けたファーストリテイリング社長(現会長兼社長)の柳井正は、近くのレストランで4人の男と昼食をともにした。うち1人は現ローソン社長の玉塚元一、もう1人は米広告会社「ワイデン+ケネディ(W+K)」の共同経営者、ジョン・ジェイだ。

 ともに柳井とは初対面。くしくもこの日出会った2人が、後に柳井の「番頭を務めた男」と、「新たな番頭」となった。

 当時36歳の玉塚は、日本IBMに在籍していた。昼食の席で柳井に「ユニクロを世界一にしよう」と誘われ、「よろしくお願いします」と頭を下げた。柳井の後任として、玉塚がファストリ社長に就いたのは、その4年後だった。

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 ファストリに入社した玉塚は、マーケティング部門の責任者としてフリースブームを定着させ、2001年には不振だった英国事業を立て直すため、現地法人の社長として指揮をとった。

 同時に柳井に対しても、しばしば正論をぶつけた。創業者の柳井に対する萎縮や依存といった社内の雰囲気を変えるのが役割だと自覚していた。

 柳井は、そんな玉塚を「自分よりも頭がいい」とかわいがり、02年に自分の後任に据えた。玉塚体制のユニクロは就任2年目に、カシミヤセーターのヒットで3期ぶりの増収増益を果たすなど、創業オーナーと番頭の歯車はかみ合っているかに見えた。

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