【番頭の時代】(7)ナンバー2なきファーストリテイリング (2/5ページ)

2014.11.20 05:00

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 「玉塚氏は安定的な成長を求めていた。私としては、もっと変化して成長したいという思いがあった」

 05年7月、東京証券取引所の会見室で硬い表情の柳井が、玉塚の社長解任と自身の社長復帰を発表。柳井の隣に座った玉塚は「結果がすべて。けじめをつけたい」と唇をかみしめた。

 就任から3年目の冬は、04年12月に関東地方の一部で夏日を記録する暖冬に見舞われた。高品質の新フリースを冬商戦の柱に据えた玉塚は、多くの在庫の値引き販売を余儀なくされ増収減益となり「売上高4000億円」の目標を達成できなかった。

 柳井はさまざまな経営課題に対し、オーナーとして全てを背負い、決断してきた。一方、玉塚は柳井に決断を依存する社内体制を改め、社員がチームで決断するチーム型経営を目指していた。柳井の目には、玉塚の経営手法が頼りなく、物足りなく見えた。それは経営に対する哲学の相違だった。

 玉塚の退社以降、ファストリには内外から柳井の「番頭」やナンバー2と評される人物はいない。柳井とたもとを分かった玉塚は今年、ローソン社長に就任した。10月9日のファストリの決算発表。玉塚の転身について問われた柳井は、淡々とこう言った。

 「ぜひ成功してもらいたい。彼はそういった仕事はできる」

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