一方で保険をつけるにはベトナム財政省が債務保証する枠組みが欠かせず、これまでは民間企業が財政省とNEXIと個別に交渉していた。だが、これに時間がかかり、受注に向けた態勢の構築が遅れる一因にもなっていた。
NEXIの輸出保険や融資向け貸付保険などベトナム向け保険残高は1兆円と国別で首位。2013年度は前年度比2倍強になり、足元も案件が積み上がる。電力需給が逼迫(ひっぱく)する同国では電力整備は喫緊の課題で、総発電容量を20年に13年の約2.5倍に増やす計画で、今後も商機は大きい。
一方、優勢だった中国勢は工事遅れや不具合が顕在化。領有権の対立による中越関係の悪化もあり、今年7月以降、三菱商事などの企業連合が石炭火力発電所の受注を決めたように、日本への期待が高まっている。