■親と同居の40代低所得者に対応
障害のある子供を抱える親の将来への不安は強い。障害年金を受けられるかどうか、年金保険料を納めるかどうか-。将来を見通せないため、思い悩む。子供になるべく多くの財産を残してやりたい親心に解はない。読者のお便りから2つのケースをお伝えする。(佐藤好美)
東京都内に住む林祥子さん(70)=仮名=には障害のある20代の娘がいる。生まれて間もなく障害が分かり、医者から「20歳まで生きるかどうか」と言われた。だが、運良く合併症は起こさず、地域の小学校に通い、特殊学校に通った。決まったルートなら1人で目的地へ行けるから近所の散歩はできるし、通学もできる。しかし、普段と違うことが起きると対応できない。状態が比較的良かった分、障害年金の受給対象にはならなかった。
娘が20歳になったとき、林さんの元に国民年金保険料の支払いを求める用紙が届いた。放置しておいたら担当者がやってきて、本人が支払えない場合は代わりに納めてほしい旨を伝えられた。林さんには年に400万円のアパート収入と月に6万円の年金収入があり、一定以上の所得があるからだ。