病状の見通しは医師によって異なる。石川さんは「障害年金を受け取れなくなるほど改善するとは思えない。だが、良くなると思って暮らしていくもの。生きていくというのは、そういうことだと思う」と言う。
公的年金は万が一の対応が手厚い。事故や病気に備えては遺族年金や障害年金がある。全額免除や法定免除なら、保険料を納めなくても老後の基礎年金の半額分が受け取れる。手厚いだけに、それを満額にするために、保険料を納めることが見合うかどうかは微妙だ。
一方で、法定免除の対象者が納付の申し出をすると、不利益もある。申し出をしたのに納付が滞ると、未納扱いになってしまう。
障害の度合いが良くなるかどうかは分からないし、医療技術がどう進歩するかも分からない。だが、免除なら、納めなかった保険料を過去10年にさかのぼって追納できる。
ある社会保険労務士は「納めるか納めないかは治る可能性次第だから、どちらがいいとも言えない。だが、法定免除は10年の追納が可能だから、当面は貯蓄し、障害が改善して障害年金が止まった時点で追納する方法もある」と話している。