現在の対象者は20代。しかし、景気が上向いても正規雇用につながらず、30代に入るケースも多い。中高年の非正規雇用も増加しており、先の国会で年齢の拡大が決まった。平成28年7月からは対象範囲が「50歳未満」になる。
■法定免除、納付申し出には不利益も
埼玉県に住む石川和夫さん(78)=仮名=には、障害年金を受ける息子がいる。
息子が適応障害と診断されたのは19歳のとき。息子が20歳になってからは、石川さんが代わりに国民年金保険料を欠かさず納めてきた。将来、少しでも多く年金が受け取れるように保険料に上乗せする「付加年金保険料」も納めた。
その後、状態が悪化した息子は年金の障害認定を受け、障害基礎年金を受け始めた。同時に、保険料を納めないで済む「法定免除」になった。障害基礎年金を受け続けるなら、保険料を納めても老後の年金額は増えないからだ。
だが、石川さんは障害基礎年金を受けながら、納付申し出をして保険料を納めようかと悩む。「将来、障害が良くなれば、障害年金は止まってしまう。その場合は、保険料を納めていた方が年金を多く受け取れる。だが、障害年金を受け続けるなら、保険料は払い損になる。納めずに息子の生活費として貯金した方がいいだろうか…」