上水道の漏水率は東京の3.6%に対し、世界の主要都市では平均で10%に達する。漏水を防止できれば、水資源の無駄削減だけでなく、新たに造水・給水するためのエネルギーが不要になる。老朽した水道インフラの耐久性向上も図れる。
NECが社会インフラの領域で最も注力している「インバリアント分析技術」もCO2削減に貢献すると期待されている。これは、大量に収集したセンサーデータの中から検知された異常を「いつもと違う」動きと判断する。「設備の劣化が分かり、故障を未然に防ぐことができるので設備の高効率運転ができる」と堀之内氏はインバリアント分析技術の有効性を説く。
気候変動は洪水や干魃など環境や生態系に悪影響を及ぼし結果として貧困の拡大、紛争リスクの増大をもたらす。それだけに気候変動の影響に対する備えを怠ることはできず、ICTの活用が欠かせない。