原油価格の調整役だったOPECがもはや価格をコントロールできなくなっている実情を市場が見透かしたことで、原油相場は歯止めを失った。
これまでなら景気が上向きの米国の需要が、原油相場を支えた。だが「シェール革命」によって米国はむしろ原油安の震源へと立場を変えた。
高成長で「オイルをがぶ飲みしていた」(大手商社)中国も、成長スピードより、経済の安定と質の向上を重視する「新常態」を宣言。米中の2大経済大国の環境変化も、原油価格の先安観につながっている。
さらに「投機マネーの動きも大きい」(SMBC日興証券の牧野潤一チーフエコノミスト)。米連邦準備制度理事会(FRB)が市場に大量にお金を流す金融緩和を縮小したことで、原油市場に流れる資金の量が縮みだしている。市場では来月にかけて「1バレル=50ドル割れもある」(SMBC日興証券の牧野氏)との見方が多い。
衆院選の大勝で「アベノミクス」の再始動に動き出したばかりの安倍政権も、資源国の経済不安や金融市場の動揺が長引けば、景気回復に冷や水を浴びせられかねない。