タカタは今回、役員の報酬カットを決めたが、信頼回復に向けた意欲が伝わったとはいいがたい。この日も、高田会長は記者会見を行わず、ストッカー氏の退任は夕方に突然、東京証券取引所の適時開示情報閲覧サービスにリリースを掲載したのみだった。
同社は今期に大幅な最終赤字を見込むが、リコール対策費用の積み増しや訴訟費用などで下振れする可能性がある。交換部品の生産が間に合わなければ、対象車両の所有者はエアバッグを作動しないようにするなどの不便を迫られる。
社長が退いても問題は山積したままで、高田会長の経営責任が問われている。
(田村龍彦)