中部電は原発の数が少なく、発電は火力が中核を担う。13年度のLNG調達量は1369万トンと国内トップの東電(2525万トン)に次いで多い。両社を合わせると世界最大規模の約4000万トンにのぼり、価格交渉力の向上で調達費削減が見込める。さらに、中部電にとっては全国の電力需要の3割を占める首都圏で電源を確保できれば、自由化後の競争で有利となるだけに提携のメリットは大きい。
官主導の出来レース
両社の社内では「燃料調達は前向きな仕事でやりがいがある」(東電)、「国際的な舞台で活躍できる」(中部電)と提携を歓迎する声も少なくないが、埋め切れない溝がある。
東電は福島事故の賠償や除染で8兆円規模の債務を抱え、国が株式の過半数を握る。中部電は「東電が主導権を握り、国が介入する提携なら前に進められない」(幹部)と警戒する。提携の具体化では、火力発電事業の統合や新会社が発電した電力の分け方などの重要事項は15年度以降に結論が持ち越された。