--ウイスキー造りを振り返って
「ウイスキーが主力商品になるなんて、はじめに醸造所をつくった創業者も考えていなかったでしょう。日本の地にウイスキーの醸造所は少ないので、今ではそれが非常に強みになっている。県外や海外からも興味を持って訪ねてくる人がいる。これまで続けてきてよかったと思います」
--これからの展開は
「国内の状況が悪いので、輸出に頼らざるを得ない。欧米だけでなく、台湾などアジア方面にも力を入れて伸ばしていきたい。その一環で、今年、香港の空港の免税店にも商品を出す予定です」
--すごいですね
「ただ、店側に入る手数料が高いため、お客さんにもうちの売り上げにも、あまり得になっていません。旗艦店のようなものでブランド形成には必要ですが、あまり好きではないやり方です。あくまでリーズナブルに、質の良い酒を提供していくことが大事だと思っています」
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【プロフィル】平石幹郎
ひらいし・みきお 鳥取大工卒。1974年に一族が経営する江井ヶ嶋酒造に入社。現場で酒造り、特にウイスキー製造に携わる。2006年から現職。64歳。兵庫県出身。
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