技術の要に豪電子雷管
鹿島は、トンネル工事の発破掘削に伴う周辺環境への影響を最小限にとどめる高度な発破技術を確立した。近年、山岳トンネルの工事が市街地や民家に近い場所で行われるようになり、その騒音や振動が原因でトラブルになる例も少なくない。周辺への環境負荷に配慮し、機械掘削を行うケースも多いが、硬い岩に出くわした際に時間もコストも費やしてしまう。そこで鹿島は「周辺環境に優しい発破」を開発した。
今回の技術の要となっているのが、鉱山の発破技術で実績があるオーストラリアの産業用爆薬メーカー、オリカの高精度電子雷管「eDevII」だ。現場で雷管に付けられたバーコードを読み取ることで、一つ一つの起爆時間を1ミリ秒単位で細かく設定でき、起動誤差はプラスマイナス0.01%という、従来の雷管に比べはるかに精度が高いことが売り物。この雷管を実際の現場で使い、有効性を確認したことが鹿島の今回の成果だ。
従来の発破は100個以上の穴に火薬を詰め、同時に起爆する方法がとられてきた。だが、この方法だと振動は極めて大きなものになってしまう。これを避けるため、個々の火薬の起爆に30ミリ秒程度(従来の雷管の精度)の“時間差”を設けることで振動を減らす方法もあるが、これだと全ての火薬が起爆するまでにかなりの時間がかかり、振動時間が長くなるデメリットがあった。