もっとも、開始後しばらくは認知度が低く、根づかせるのにかなり苦労したという。
突破口となったのは社交ダンスだ。動きが素早く、素人には撮影が難しいうえ、時間にも懐にも余裕のある年配の愛好者が多く、買ってもらえる可能性が高い。同社はイベントの主催団体と交渉し、公式サービスとして写真を売り出したところ、徐々に浸透。07年には東京マラソンで初採用され、人気がさらに高まった。
ここ数年は念願だった2大市場への進出を急ぐ。学校と結婚式場だ。日本では結婚式場の大半が特定の写真屋に撮影を依頼しており、第三者のつけ入るスキがほとんどない。そこでカメラマンを派遣するのではなく、ネット販売を支援することで共存共栄の関係を築きつつある。
「販売に必要なシステムを貸し出し、写真はこちらで保管する。日本では年間約30万組が挙式しているが、その1割が当社のシステムを利用している」(大澤社長)
学校向けでも、幼稚園の写真撮影を請け負う写真館を集中的に訪問。やはりシステム貸しを始めた結果、現在は約1500の幼稚園が顧客になっている。