「両社とは何も決めていない。千葉製油所を中心としたエリアの活用には他の企業も注目しており、さまざまな提案が出されている。徳山製油所もそうだが、ここにカナダ産LNGの受け入れ基地を建設することも有効なアイデアだ」
--電力事業の強化は
「全面自由化で価格競争力が求められ、省エネも進む中、電力事業が大きな商機となるかには疑問がある。以前から、大分で九州電力と地熱発電の滝上発電所を共同運営している。日本は地熱発電の潜在能力の1割も発揮していない。エネルギーの自給自足に貢献したい」
--国内ガソリン需要の低迷で、業界全体で原油処理能力の1割削減を17年3月までに求められている
「千葉は製油所が集積しており、エネルギー供給の観点から、少しぐらい処理能力を落としても、当社と日本全体にとっても影響は軽いのは確かだ。重要なのは、いかに競争力のあるコンビナートにするかだ。全体像を描かずに削減しても、同じことの繰り返しだ」
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【プロフィル】月岡隆
つきおか・たかし 慶大法卒。1975年出光興産入社。執行役員、常務執行役員、取締役、常務取締役などを経て、2012年副社長。13年6月から現職。東京都出身。