葬儀そのものを簡素化する傾向がある一方、「お金がないから」という理由で葬儀を行わなかったり、通夜や告別式などを行わない直葬や家族葬で対応する遺族も増えていることも、葬儀保険が伸びる背景にある。
少額短期保険は2006年の保険業法改正で登場。保険期間は2年以内と短く、保険金額も1000万円以下と少ない。「ニーズがあるのに存在しなかった保険を自分たちが提供しよう」という参入各社のチャレンジ精神が新商品を生み、ペット保険や事故を補償する自転車保険などで顧客を取り込んできた。
一方で、ニッチ市場をターゲットとしているため知名度が依然低いのも事実。新商品は財務局への届け出で済むという特性を生かし、社会問題にも素早く対応できる保険として認知度向上に取り組んできたが、多様化・高度化する顧客のニーズにどこまで応えられるかが、さらなる成長の鍵を握りそうだ。(松岡健夫)