家にこもりがちなゲームプレーヤーを、外へと引っ張り出し、ポータルの所在地を歩かせたイングレスのリアルな“動員力”に着目し、大手コンビニエンスストアのローソンが、店舗をポータル化するコラボレーションを進めている。メディア芸術祭の受賞作品展では、こうしたイングレスの例をはじめ、ゲームやエンターテインメントが、ビジネスと結びつく可能性も探れそうだ。
今回の文化庁メディア芸術祭では、アート部門で大賞が出ず、かわりに優秀賞が5作品出た。ミュージシャンの坂本龍一氏と、「Sound of Honda」にも携わっていたメディアアーティストの真鍋大度氏が手掛けた作品で、電磁波を拾って光や音に変えるメディアインスタレーション「センシング・ストリームズ -不可視、不可聴」も優秀賞のひとつ。会場では、音楽ユニット「Perfume」のライブでプロジェクションマッピングを仕掛けるなど、技術と表現の可能性を探求してきた真鍋氏の新しい取り組みに触れることができる。
マンガ部門では、作家の津原泰水氏による小説を、近藤ようこさんが描いた「五色の舟」が大賞となった。近藤さんは受賞作の発表会見で「漫画としての表現をどのようにしたらいいかを考え、35年間学んできたことを投入して描きました」と喜びの言葉を語った。